少し前に流行った、GoogleのAIが書いた絵が話題になりました。
(元画像:Research Blog: Inceptionism: Going Deeper into Neural Networks)
この絵画は「人間の感性がない絵だ」と言われているようですが、そんなこともないんじゃないかと思ってます。
というのも、この絵を見たとき、自分の心象風景に近いと感じたからですね。
中央の光溢れる世界は理想の世界、多少の不便はありながらも、生きたいように生きることのできる理想の世界というものを表現していると解釈できます。
その周りを囲っている暗い部分は自分を蝕む悪意と見ることができます。
これは、例を挙げれば戦争、国家という虚構の利益のために人と争う世界、他には税金の無駄遣い、この暗い部分に建っている建物は、正しくその産物と言えるかなと思います。
そして、それは安心感を与える環境を破壊したり、居場所を人が住めないような死の大地にしたりすることもあるということを象徴しているかなと。
そして何よりも人の悪意、あくまで心象風景ということなので、物質的だけでなく、心理的なものも描かれていると解釈します。
上の方の明るい部分は他の人の理想世界。その間を見ると、暗い川のようなものが横たわっているのがわかります。
そして、それは暗い世界から流れているものと捉えられます。
すなわち、それぞれが理想世界を持っていて、それらは共通部分もあり、協力していけば理想世界にすることは不可能ではない、にもかかわらず、諸々の外的要因や人の悪意によって、我々は対立する方向に向かわされている、ということを表現しているのではないかなと。
そういう風にこの絵を見ていると、人の世界の有り様を描いている、今まで歴史上でも数多描かれてきたものと、コンセプト的には違いがないのではないのかと思います。
この絵のすごいところは、人でなくAIが描いたところですね。
いや、むしろ今の時代的にはAIだから描けたのかもしれません。今の世の中ノイズが大きいので、一部を除けば、なかなかノイズに翻弄されてしまいがちですが、AIはノイズの影響を受けることがありませんので、こう言った絵を描けたのではないかと思います。
もっとも、ノイズが全くの悪というわけではなく、これから人はノイズをから如何に意味を見出すかという能力も問われていくのではないかなと。