なおなおのクトゥルフ神話TRPG

クトゥルフ神話TRPGを中心として、ゲーム関連の話題を扱っていきます。



【第18回】短編小説の集い短評 その1

今回も5作品(自分も含めて)でした。

メンバーもだいたい固定?なのかなと思いますが、今回も自分以外は4人でした。鳥、というテーマって、簡単そうですが、テーマが具体的過ぎて、個人的には書きにくい部類だったかなあ、なんて思っていますね。

人の様子を鳥に例えて男女二人の出会いをロマンチックに描いた作品です。何より、鳥という具体的なものを比喩表現の一つと捉える、しかもそれが、具体的である必要がない、という点では、かなり上手いテーマの使い方だなぁと感じました。

また、ここまでハートフルなお話しでありながら、その二人の気持ちがスッと自分の中に入ってくるように感じました。

自分はなかなか、こういった話が慣れないせいか、この作品のように自然に入ってくるような作品を見ると、さすがだと思います。このような、作品の中の独特の繊細さは、やはり、自分でも取り入れることができるようになりたいと感じました。

 

鳥になりたいという願望を聞くと、普通であれば、空を飛ぶ鳥のことをイメージしますが、ここでは飛べない鶏の方であるという、一種自虐的な面の願望を捉えています。もちろん、どちらかに優劣があるということはなく、目指すところは一緒みたいな感じで描かれているのが、なんとも特徴的です。
一方の水の方も、柔軟でありながら、多様な形で偏在している姿を捉えているというのはユニークではあります。
もっとも、人の在りようを水に捉えるというのは「老子」に出てきていて、そこでは、理想的な人のあるべき姿を例えて水と言っていますし、「荘子」では「胡蝶の夢」という、自分というものと胡蝶と言うものが同一のものという考え方があって、鶏になりたいという部分には、そういった自己との同一性のようなものを垣間見ることができます。
この辺りの考え方が、二人の超然とした様子を一層際立てているようにも見えました。
しかし、そういった流れを汲みつつも、独自な解釈を加えつつ、現実としての立ち位置を最後に感じさせるところはそれまでの対比として非常に興味深い内容となっているように感じました。