なおなおのクトゥルフ神話TRPG

クトゥルフ神話TRPGを中心として、ゲーム関連の話題を扱っていきます。



【第19回】短編小説の集い短評その1

最近ご無沙汰していましたが。

アクセス自体が久々になってしまいました。色々と慌しかったというのもありますが、こちらの企画の締め切りが過ぎていたのも忘れていました。

いつもの恒例ではありますが、短評を書いていきたいと思います。

ネタがないわけではないんですが(まとめなきゃいけないセッションシナリオもありますし、新シナリオも作りたいし)、なかなか思うように時間が取れない感じです。

と、そんな近況は置いておいて、今回も書いていきたいと思います。

順番が変わりますが、IDコールされている記事があったので、その返信も込めてこちらの作品から。

前に書いた作品の続きのようですね。前の作品の時ははてなブログ自体していなかったので、今回が初見になります。

全体的に温かみのある作品で、二人の想いが離れていても通じ合っているというテーマがとてもいい感じだと思いました。

ちなみに、本人はミステリアスとしての伏線を気にされていたようですが、この話を読んだ時に会える/会えないの2択しかない、なんてことはないと思いました。軍艦に乗っていたという事は危険な地域に赴いていたと考えるわけで、もしかしたら生きていないかもしれないという可能性も候補としてあるかなと思いました。

だからこそ、少女が荒川さんの話を出した時点で生きていたという安堵感を表現しても良かったのかもしれません。

文章的に気になったところとしては、途中で「あの人」が「彼」になっていたところなどでしょうか。同一人物の視点のような形で描かれているのであれば、できれば呼び方は統一した方が混乱が少なくなると思います。

あとは自分もやりがちですが、難しい漢字を使ったり、漢字を繋げてしまったりする辺りでしょうか。「尤も」とか、「桜吹雪舞う」とか適度に平仮名を使った方が読みやすく感じるように思います。

この辺りは作風にもよりますが、古い時代を意識させる時には意図的に漢字を使うのは良いのですが、現代を意識させる場合は平仮名を多めに使うように意識すると時代感を出しやすくなるかなと。ちなみに、私の作品は現代物がメインなので、「もっとも」などは平仮名にしていることが多いですね。

とは言うものの、全体的に読みやすい作品であると思います。

結婚式の演奏から、その練習の時の回想を経て、後日談に至る構成はシンプルでありながら、複雑な状況を色々と表現しているように感じました。

ただ、桜とハナミズキの関係はストーリーを通して理解できたのですが、そこからワンソロジーへとのつながりが最初はわからなかったのですが、何回か読み直してdogwoodにかけたものだと理解できました。

こういった掛け方は面白くもあるのですが、ここの部分を少し深く掘り下げた方が、登場人物と読者の溝ができにくくなるのかなと感じました。

もちろん、この部分を謎要素にしてしまうのもアリなのですが、ここの場面だと登場人物は全員わかってしまっているので、ちょっと置いてきぼり感を受けてしまうかなぁと。例えば、自分だったら「ハナミズキがdogwoodって言うからって、よりにもよってワンソロジーで返すなんて。」のような説明を入れるかなと思います。

もっとも、私の場合は登場人物は読者自身の投影であるという想定で書いていて、謎をかける場合でも、分かっている人と分かっていない人を同時に書いて、読者が登場人物に置いて行かれないようにと考えているせいかもしれません。

春らしい、爽やかでロマンチックな作品に感じました。表現も詩的で抽象的な表現がふんだんに使われているせいもあり、夢と現の狭間のような世界観に感じました。

もっとも、猪が突如、出現したところについては多少ではあるものの驚いてしまいました。とはいえ、猪の部分は比喩的な表現であったり、ファンタジー要素としても捉えることができるのですが、春の雰囲気を伝えるのであれば、時間帯を夜にしない方が良いのかもと感じました。

というのも、夜だと花の咲く視覚的なイメージが暗さで弱まってしまうかなと感じました。ただ、輝きという表現を強める意味では夜の方が良いのかもしれませんので、ここは好みの問題かなと思います。

個人的には夜ということもあって、生命の輝きを100万ドルの夜景のような感じのイメージで語るとイメージしやすくなるのかなと。もっとも、純文学の作品だと、比較的曖昧な表現で終わるものも多かったりするので、そこは作風の違いなのかなとは思います。

 

こうして考えてみると、自分の場合、読者が登場人物に思い入れできるような形を意識しているのかもしれません。登場人物の役割分担が明確になっていて、例えば、二人の登場人物がいた場合、異なる性格をもたせている場合が多いなと。推理物だと王道ですが、いわゆる探偵役と助手役というやつですね。このパターンの場合、探偵役は捻くれた性格をしているが推理は的確、助手役は素直な性格をしているが推理は全く的外れという形が多いですね。(これはこれで理由があるのですが、ここでは割愛)

この場合、答えが分かっている人は探偵目線、分かっていない人は助手目線で見ることができるので、登場人物が先走っている感覚を減らせるかなと個人的に思っています。