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なおなおのクトゥルフ神話TRPG

クトゥルフ神話TRPGを中心として、ゲーム関連の話題を扱っていきます。



【第26回】短編小説の集い短評 その1

雑記

今回もなかなかの作品数が出ておりました。

いつも参加させていただいております、こちらの企画ですが、今回も年末で忙しいかと思いきや、結構な方々が参加されていたようです。

novelcluster.hatenablog.jp

感想を書くことを考えると、10作品くらいが多くもなく、少なくもなくっていう感じなのかな、なんて考えています。とはいえ、感想は長くなりがちなので、1回で4、5作品くらいの感想をと考えていますので、今回も2パートに分けようと思います。

その2は私の作品の解説&振り返りも入れる予定です。

 幼女vsサンダクドウスル

tokimaki.hatenablog.com

サンタ(サンタクロースではない)の提示する3つの夢を少女が否定するお話、かと思いきや、最後の急展開は驚かされました。

うまい、と思ったのは、提示された3つの夢がどれも微妙で、普通に考えたらどれも選ばないようなものをあえて選んでいることです。仮に少女が適当な理由で否定しても違和感を感じないような形に持っていけるという点では素晴らしい設定だと感じました。

ただ、最後の部分を悪魔払いにしたのは少し無理があったかな、と感じました。

そのために、わざわざサンタの周りに魔法陣を描いて、その間サンタはスルーしているので、この辺りはサンタ=下級の悪魔という設定にして、少女はそれより少し上位の悪魔(例えば上司の悪魔とか)を召喚使役させた方が自然にはなったかな、と感じました。

とは言うものの、スルーしている点についてもいくらでも理由をつけることは可能ですし、全体を通して見たときの読みやすさは、参考にしたいと感じました。

サービス

135.hateblo.jp

年末年始恒例のシステムメンテナンスについてのお話しでした。話自体はサラリーマンの男二人が淡々と話を進めている感じで進んでいきます。

淡々としながらも、所々で小さい山場があるような構成になっているように思いました。

終わり方もすっきりしていて、話としては綺麗にまとまっていると感じましたが、もう少し大きい山を一つ作ると話のインパクトは強くなったのかなと思います。

まあ、システムメンテナンス中の山なんて、トラブル発生くらいしかなさそうですが。

あとは、今年の年末をイメージしているのであれば、時事ネタでもある閏秒の話を組み込んだ方が良いかなと思います。それを加えると、どうしてもその場にいないといけない理由を補完しやすいかなと感じました。登場人物がジャスコと言っているので数年前のことなのかもしれませんが。

あとは、「もっとも」でつなぐ場合は漢字にしない方が良いですね。作中で「最も」となっていますが、正確には「尤も」となりますし、読めなかったりすることも往々にしてありますので。その例が数年前の自分だったりしますが。

クリスマスの夜に彼女と赤いマフラーを

www.logosuemo.com

最初の書き出しを何も考えずに読んでいた私は、この時点では何故最悪なのかほとんど分かっていませんでした。

最近、この手のトリックに興味があるため、最後まで読んだ時には「してやられた」と思ってしまいました。

何より、最初の何気ない表現が一番の伏線となりながらも、そのあとの姉崎課長の話で別の伏線を張りつつ、最初の伏線をボカすというのは、なかなかにうまいと感じました。

話自体の疾走感もあることから、話としてもあまりツッコミ所のない感じにまとまっています。まあ、あえて言えばタイトルがど真ん中の直球すぎかなという気はします。とはいえ、ここにもトリックが仕込まれていることを踏まえると、直球だけど消える魔球のような感じではありますが。

サンタクロースは突然に

nogreenplace.hateblo.jp

複雑な家庭の事情を抱えていることから、心を開いていない主人公がバイト先でクリスマスの話をしたことから始まる話でした。

主人公を心配したバイト先の仲間達がクリスマスの日に父親とのわだかまりをなくすようにお膳立てをしているところに人の暖かみを感じました。

特にお膳立ての中心にいる松井さんの存在感は大きく、主人公の閉ざされた心を内面からも外面からも開けていくというステップには主人公に対する愛情があり、それが暖かみを感じる大きな要因だなと感じました。

同じように気持ちを伝えられない主人公の父親に代わって、その気持ちを松井さんが代弁する。主人公も松井さんを父親に重ね合わせているという描写がイメージを強く補完していて、この辺りの表現は参考にしたいなと感じました。