主催者様の作品が漏れておりました。
こちらの作品ですが、別枠で書かれていました主催者様の作品が漏れておりました。
先ほどの短評で結構文字数がかさんでしまったのも踏まえ、別記事として投稿させていただきます。
クリスマスの様々な人の風景を表現した作品で、クリスマスがカップルに対して特別であるというのを否定し、すべての人に特別を与えるものとしてのクリスマスの様子を待っている主人公の視点から書いているのが印象的です。
最後までは第三者視点的な形で進み、最後の最後で考えていること、見ていることがある人物だった時の小さい驚きはCMなんかでも使われている手法かなと思います。
三人称でありながら、クリスマスの様子を眺めている主人公の一人称視点に集約され、それでありながら、それまでの考えていること、見ている物、聞いている音などを細かく描写することで、主人公の視点への没入感を与えているのは、さすがだと感じました。
ただ、逆の言い方をすれば、この作品にはストーリー的なものがほとんどありません。極端な話、一つのシーンを切り取っただけとも取れ、前後の流れなどは、想像に頼る部分が大きいかなと思います。
これは、短編小説という枠組みで、主人公との一体感とストーリーを両立させるのは難しいなと感じました。ただ長編で書く場合は、このような書き方を柔軟に組み込んでいくのも重要だなと感じさせられました。