なおなおのクトゥルフ神話TRPG

クトゥルフ神話TRPGを中心として、ゲーム関連の話題を扱っていきます。


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【第17回】短編小説の集い 短評

1月は4作品(自分含めて)でした。

飽きもせず、毎月参加させていただいている、こちらの企画ですが、今月は自分以外で3作品でした。毎月レベルが上がっている気がするのは気のせいでしょうか。

ただ、今回は投稿後に自分の作品のコメンタリーを入れてなかったので、後で、自分の振り返りの投稿もしたいと思います。

月と言えば、お願い事というわけで、お願いをするときのあり方のようなものを示唆する作品という印象でした。願うだけで努力をしない主人公の願いは結果として叶ったのかもしれないけど、それが幸せと結びつくわけではないという、なんとも皮肉なお話です。

ただ、このお話は願いを叶えるためには、一つ目は願い事は具体的でなければいけないこと。二つ目は願いに自分をフォーカス(思い描き、言葉にするだけではなく、具体的に行動する)していくこと。三つ目が他人の不幸は願わないことが重要であるということですね。

また、話としても、流れがスムーズで非常に読みやすくなっていました。ただ、あえて、指摘するとするなら、妹との関係が悪くなっていく過程も少し描写があれば、最後のところもスッと入ってくるかなと思います。例えばで言えば、途中で妹が姉のところに訪れてアドバイスをするも、聞く耳を持たないとか、追い返してしまったとかあると、確執が想像しやすくなるかなと思います。

月から来た少年との触れ合いによって、大人になるにつれて失っていった情熱を取り戻すお話しのようです。一人称で、と書いてありますし、確かに一人称を使ってはいますが、読みにくいという印象はありませんでした。おそらく、表現が一人称なだけで、視点が三人称だからなのかも、という気がします。

というのも、ここに出てくる「僕」というのは単なる傍観者で、その中にいる「子供の頃の僕」が主人公なのでは、という印象を受けました。

もっとも、そういった枝葉の部分だけでなく、話自体はシンプルなのに、奥が深いように感じます。例えば、少年というのは子供の頃の「僕」の投影のようにも取れるし、月は子供の頃の夢、落としたものは情熱の欠片として投影することもできるなと感じます。

あえて指摘するところがあるとすれば、最後のところで絵を見ながら、「落とし物」を握りしめるとかいう描写があると良いかもしれません。

 

少女二人が洋館に忍び込んだ時のお話しです。過去の投稿作品からのキャラクターは引き継ぎ(?)のようですので、それぞれの背景的な部分も踏まえると、前作までを読んでおいた方が、より深く作品に入れるような気がします。

とはいえ、そう言った前提を抜きにしたとしても、二人の互いに対する想いや、自分の将来に両親を投影してしまい、不安に感じる部分などは、思春期の少女達の葛藤といった部分が想起されました。

あえて、指摘する部分があるとすれば、サキが月光を演奏したのが、やや唐突な印象を受けたので、サキがピアノの演奏がとても上手だったり、月光という曲を二人で聞いてそういう話を共有したことがある、といったエピソードがあると、いいのかもしれません。