今週のお題「バレンタインデー」
ということで、バレンタインデーにちなんだシナリオの作り方みたいなメモを書いてみます。私がシナリオを作るにあたって、どういう風に考えて作っているかの参考になればと思います。今、セッションをしているシナリオを見てもわかるように、2月のシナリオは春節(旧正月、2016年は2月8日)をテーマにしてしまいました。
ですが、やはり2月と言えばバレンタインデーということで、もちろん、バレンタインデーシナリオの原案は考えていました。
バレンタインデーと言えばチョコレート
バレンタインデーと言えば、何とは言わず思い浮かぶのはチョコレートですね。ただ、シナリオにする場合は、クトゥルフ、あるいはホラーというカテゴリーにする必要がありますので、ここから構想を広げていきます。
まず、一番オーソドックスなのは、チョコレートと血を結びつける考え方になります。固まったチョコレートの色はカカオの成分が強ければ強いほど、血の色に近い(と言っても赤くはありませんが)と言われています。そして、バレンタインは自分の想いをチョコに乗せることから、手作りチョコレートに自分の血を混ぜる、と言ったおまじないがあったりします。
そこから作るシナリオのイメージとしては、「好きな人に手作りチョコレートを何日もかけて作ってる少女が、日に日にやつれていくという現実を目撃する。しかし、その事件は、その少女に限らず、何人も同じ状況になっている者がいる。」というようなシナリオになります。
そこから、神話生物や魔導書、秘密結社などを結びつけていく感じになります。血を与える儀式として考えるのであれば、やはりゴールは神話生物の復活みたいなものになると思います。
自分をプレゼント
チョコレートを結びつける以外でありきたりなのは、「自分をプレゼント」するという考え方です。よくある場面としては、自分にリボンを結んで、好きな人の前に登場と言ったパターンでしょう。実際に受け取る側としては8割方ドン引きすると思いますが・・・。
そういった方向で考えた場合、世にも奇妙な物語でありそうな展開ですが、自分の身体を毛糸にしてマフラーにしてしまうとかいうものです。ただ、話としては良いのですが、シナリオにする場合、プレイヤーを絡ませにくくなります。ですので、ここは観点を変えて、最高のプレゼントのために他人を犠牲にしてしまうパターンの方が良いでしょう。
例えば、人の革で作ったバッグとか財布とか、あるいは人の毛を毛糸にしてマフラーにするとかですね。前者で言えば、町中に皮をはがされた死体が大量に出来上がりますし、後者であれば、犠牲者は髪の長さから考えれば女性がほとんどで、全員丸坊主にされてしまう、などと言った展開が考えられます。
そして、その裏で暗躍する神話生物を作ってしまえば、ある程度シナリオの概形が固まってきます。
細かい部分はセッションしながらでも
そうやって、ある程度概形が作れて来たら、細かい部分を決めていきます。具体的には登場人物のステータスやプロフィール、場面設定、そしてエンディングになります。
ただ、シナリオの進行はプレイヤーの行動に依存する場合も多いため、どうしても難しい場合は登場人物のステータスやプロフィール、基本行動、性格などを細かく決めるようにし、場面やおよその流れを決めておけば、プレイヤーの行動に対してのリアクションは登場人物の性格からアドリブで対処することも可能になると思います。
だいたいシナリオが半分も進むころには、エンディングまでの道筋もだいたい決まってくると思いますので、その時になって初めてエンディング分岐を作っていけばいいかなと思います。
ちなみに、個人的にチョコレートは国内メーカーのロイズのチョコレートが好きです。海外だとゴディバが有名ですが、 メリーとかリンツの方が好きだったりします。
チョコレートと血を結びつけるイメージを持っているのは、この作品の影響が強いかもしれません。
なお、バレンタインデーのシナリオを却下したのは、こうやって思いついたシナリオがあまりにオーソドックス過ぎて、せっかくセッションでやるのにはつまらないと思ったからです。あとは、バレンタインデーのテーマとしたシナリオはすでに結構ありそうだったと言うのもあります。