なおなおのクトゥルフ神話TRPG

クトゥルフ神話TRPGを中心として、ゲーム関連の話題を扱っていきます。


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【第21回】短編小説の集い短評

遅くなってしまいましたが・・・。

前回の短評になってしまいましたが、自分的(ポリシー)により書かないわけにはいかないため、短くまとまってしまうと思いますが、書いていきたいと思います。

第22回の短評もすぐに書きたいところですが、その前に夏休みホラー1編を出すかもしれません。こちらのプロットは頭の中では組み上がっているので、そこまでは時間がかからないかなとは思いますが・・・。

novelcluster.hatenablog.jp

www.kana-ri.com

時計自体の持つ意味を考えながら、主人公と飼っている魚とのやりとりは、いろいろと考えさせられるところがありました。

話の流れとしては半ば答えは出ていますが、文中では明確に答えを出していないところがささやかなジレンマを感じるように思いました。とは言うものの、最後の主人公の結末は一つの答えではないかと思います。

ある程度の状況は想像できつつも、最後はモヤっとした部分が残るような形は作品自体を心に留めるのに非常に有用なのですが、自分もなかなかうまく使いこなせないので参考になります。

全体的によくまとまっているので、改善点として挙げられそうな所はありませんが、あえて、こうしたらどうかな?という部分として、回想の部分のやり取りを端折って、最初の部分で主人公が、あっさり受け入れないようにするというのも良いかもしれません。

ただ、そうしてしまうと全体的にシリアスにまとまっている感じをコメディっぽくしてしまいますが、結末を考えると、それもアリかもしれません。

 

masarin-m.hatenablog.com

 「時間を戻す」力についての話でした。話としてはよくまとまっていて、スムーズに読み進められるところはありますが、「新魔術五法」が「新魔術六法」になっていたり、田を焼く時期が田植えの後(稲刈りの後だと思いますが)になっていたり、という部分が多少混乱してしまうように思います。

文章の組み立てにおいては、あまり気になりませんが、固有名詞であったり、情景を想像する部分だったため、目立ったのかもしれません。

論点がずれてしまいましたが、全体としては読みやすいと思いました。

あとはネタバレになってしまいますが、1時間を1万回というのは、それを認識していない人には大変だなと想像できます。ちなみに、1万回だと1年ちょっとになりますね。

働いている時間の1時間を繰り返し1年分だと考えると、実質1年以上働き詰めだったとも取れるわけで、潰れてもおかしくはないというのも頷けました。

nogreenplace.hateblo.jp

時間という考え方にもいろいろありますが、こちらの作品は一風変わっていて、時間というよりは時刻(決まった時間)をテーマにしているように感じました。

全てが決まった通りに動くシステムの世界を定型的な時刻の概念を使って表現していて、その中において、定型的な世界から脱したシステムを見つけ出すことを「きぼう」と表現しているのは、非常に面白いと感じました。

そう考えると、希望の本質というのは、定型的なものの外にあるのかもしれません。定型的なものばかりが流行る世の中になってきている最近の風潮を考えると、この話は、そういった状況に対するアンチテーゼなのかもしれません。

そういったイメージで読み進めると、色々と考えさせられる作品です。