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なおなおのクトゥルフ神話TRPG

クトゥルフ神話TRPGを中心として、ゲーム関連の話題を扱っていきます。



【第19回】短編小説の集い短評その2

前回に引き続き、その2となります。ちなみに、自分の振り返りは、また別記事で書こうかと思っています。

こうして読んでいると、自分の読解力の無さを感じざるを得ないことが多いので、なかなか短評を書くのも時間がかかるのですが、書いていきたいと思います。

全体的に読みやすい感じで、相変わらず思春期の心理的な描写が細かく描かれているなと感心しました。

舞台が現代社会的な部分もあるのだとは思いますが、読んでいて場面が想像できないといったことは無く、ストーリー全体としては非常に読みやすいものであると思います。
ただ、主人公が最初にサキを見たときに、サキに対して特別な思い入れを持っているような感じの描写があるとよかったかもしれません。

主人公が特別な感情を抱いているのであれば、おそらく、無意識に目を逸らしてしまうか、それともよく見ようと目を凝らしてしまうと思うので、そういった描写を持ってくると、主人公の感情が上手く表現できるかなと思いました。

あとは、一人称視点ということもあるので、主人公の感情についての補足をもう少し入れてもよかったかもしれません。

例えば、「泣くんじゃないよ」と思ったときの主人公の気持ちが苛立ちなのか、呆れなのか、困惑なのかわかると、主人公の気持ちとシンクロしやすくなるんじゃないかなと思います。

あとは文章的な話ですが、最初の部分でケンジさんが何回も出てきますが、この場面においてケンジさんと主人公以外の登場人物がいないので、ここまで何回も出す必要はないかなと思います。もっとも、今回の話においては関係ない部分だと思うので、この部分は全部省いてしまっても良いかもしれません。

と言いつつも、この辺りのことは自分もやりがちなので、自分としても注意しなきゃなと思いながら書いていたりします。

非常に幻想的な光景でありながら、死体(多分)が生きたように動き続けているという描写は「神様のいない日曜日」っぽい感じがして、不思議だけど少し哀しい雰囲気だなと感じました。

もっとも世界観的なものについては、今ひとつ世界観が読み切れなかったので、解釈は正しくないのかもしれません。ただ最後のオチを見る限り、そこまで謎かけの要素はないのかなとは思いますが、逆にそうであれば、もちろん目的としては桜の栄養にするためなんでしょうけれども、それだけでは人を埋めるというのが当たり前となっているような状況を説明する根拠としては弱いように感じました。

この話のオチを見る限り、登場人物たちはストーリーに対して一定の理解があるはずなので、その点も登場人物たちに共感しにくい感じを与えるのかもしれません。

作品に対する理解に自信が無いため、どう描写するのが正しいかというのが判断つけにくい部分はありますが、例えば最初のイメージにするのであれば、最初の方に「ある頃から、死んだ人たちが動き続けるようになった。動き続けながら、腐り、朽ち果てる現実に対処するため、死んだ人間を「埋葬する」というルールが出来上がった。しかし、死んだとはいえ感情などは生きている人間のそれと大差は無く、どうせ埋められるのなら、桜の木の下にと希望する者は多かった。」とか、内容は適当ですが、世界観的なものを説明する一文があると、良いのかもしれないと感じました。

ちょっとホラー混じりのお話です。と言っても、表現自体は不気味ではあるものの、最後の方まで「ナイフ」という対抗手段が提示されているせいか、それほどホラーにありがちな絶望感が大きくないせいかもしれません。

また、状況の説明なども簡潔で読みやすく、サクサク読み進められる作品だなと感じました。

ただ、あえて言えば、意識を失った後の描写が唐突すぎる印象は受けるかなと思います。とはいえ、最後の最後ということで、ここは読者の想像に任せると言った感じでも良いかなと思います。

また、ホラーということで、恐怖の見せ方はとても参考になるなと感じました。なかなか自分でもホラーの恐怖感というものを表現するのは難しくて、上手く表現できないので、こう言った作品は非常に参考になります。